歌うドラマー『カレン・カーペンター』の強い意志と歌声 〜カーペンターズのプロ意識とは〜
カレン・カーペンター
1950年3月2日 生まれ(〜1983年2月4日)
画像引用元:Karen Carpenter.jpg -Wikimedia
歌うドラマー『カレン・カーペンター』
拒食症という病になり悲しい最期を遂げたカレン・カーペンター。彼女の死は世界を深い悲しみに包むのと同時に、拒食症という病を世界中が知ることとなりました。カレンの美しく伸びやかな歌声はいまでもラジオやテレビ、CDなどで親しまれています。
幼い頃はぽっちゃりしていて明るかったカレンは、兄リチャードと同様に音楽の才能に溢れる少女でした。ドラマー兼ヴォーカルとして活躍していたカレンですが、はじめは自分がドラマーで、誰もが認める歌声の魅力を持っていることに気づかずにいました。もちろん兄リチャードは、カレンの歌声の素晴らしさに気づいていたので、ヴォーカルでステージに立ってもらうためにいろいろ策を巡らしましたが、ドラムの後ろから前に出させるのには本当に苦労しました。
カーペンターズといえば、知らない人がいない程有名ですが、当時はロックバンドが格好いいとされていた時代。そのため、当時の音楽業界が少々時代遅れの音楽であるカーペンターズを積極的に応援してくれているとは言い難い状態でした。そういった波に揉まれ、不当な扱いをされながらもカーペンターズは彼らのこだわりぬいた音楽で大ヒットを生み続けるのでした。
カーペンターズのプロ意識
どんなにヒットした曲を出しても、「もっと上手くできたはず」と口にしていたカレン。カーペンターズのコンサートでは、レコードを買ってくれた人たちのためにと、アレンジを一切許さずレコーディングのまま完璧に演奏することが鉄則でした。バンドメンバーにプレッシャーもありましたが、それがカーペンターズのこだわりでした。
幼少期の頃から音楽漬けの毎日を過ごし、努力することを怠らない天才たちの音楽は未だ廃れることなく、幅広い人々に愛され続けています。拒食症と疑われ、痩せたころでも不思議とカレンは、歌うことはできたのです。体力は落ちていたのですが、彼女の声に影響はしませんでした。
拒食症で痩せはじめたころでも、カレンは強い意志を持ち、自分が決めたことは必ず貫き通しました。一度決めたことは必ず実行していたので、彼女の意志を曲げることは大変難しいことでした。ダイエットについても、周りがどんなにそれ以上はやせない方が良い、と説得しても目標体重までダイエットを続けたのでした。拒食症と疑われていたときも、周りに巧妙に嘘をつき、自分の症状は問題ないと言い張っていました。しかしダイエットに完璧を求めてはいけないことは、カレンが身をもって教えてくれています。
純粋な心を持ち、自分の強い意志を貫くハートを持っていたからこそ、カレンの声は人々を魅了したのかもしれません。カーペンターズの音楽に対するこだわりはとても強いものでした。どんなジャンルでも上を目指すのであれば、カーペンターズのような完璧なプロの精神を追い求めたいですね。